1970年生まれ。エッセイスト。「愛と夢のある自由人生」をテーマに、雑誌、新聞、ラジオなどの幅広いメディアで活躍。また、講演活動を全国的に展開している。主な著作にベストセラーとなった『もう「いい人」になるのはやめなさい!』(中経出版)、『女性100人に聞いた「魅力ある男」の条件』『「バカになれる男」の魅力』(以上、三笠書房)『無駄が力になる すごい生き方』(青春出版社)、『「頼れる男」は女が惹かれるオーラがある!』(学習研究社)など多数ある。2000年代初頭「生まれくる息子や家族に戦う姿を見せたい」の一心で住宅ローンを5000万円組み、貯金ゼロの状態で退職、文筆業に転身。息子の生まれる当日の深夜24時にデビュー1本目の「All About」の記事を妻の病室からアップする。趣味はキックボクシング。執筆の合間にジムに通い、40代の今も親子で一般アマチュアの試合イベントに年に数回出場している。早稲田大学卒。株式会社ハートランド代表取締役。
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「俺の人生、こんなもんなのかな」
「まあ周りの皆も同じようなもんだし」
「がっついても仕方ないよな」

 まだ二十代や三十代なのに、妙に物わかりがいいというか、諦めの境地に追い込まれている人がいる。だが彼らは、誰かに追い込まれたわけではない。自ら追い込んでいるのだ。

 かつて私もそうだった。二十代のころ、まだ会社員だった私は幾度となく「俺の人生こんなもんか……」と仕事中に敗北感を覚えていた。毎日ルーティンワークをするだけのために、疲れた体を通勤電車に押し込んでは会社に向かう――。そんな自分のことが大嫌いだった。

「いつかここじゃないどこかに飛び出してやる」

「俺が命をかけてやりたいことはこれじゃない」

 そんな気持ちだけがいつも空回りしていた。
「服役」のような日々を過ごす反動で、アフター8ではすこぶる元気だった、怖いものなしの勢いで仲間と遊び、語らい、夢を描いて過ごした。魂の置き場はアフター8にあった。

 しかし、朝になれば逃げ出せない現実が待っていた。仕事中の私は完全に敗北者であり、腰かけのお荷物君だったと自覚している。やる気もないのに、いい仕事ができるわけもない。給料泥棒だった。

 それは誰のせいでもない。自分で選んだ道である。その境遇を選んでいるのは、まぎれもなく私自身であった。

「このまま朦朧と、時が流れゆくのか?」

 この種の葛藤の痛みや憂鬱感が、私には手に取るようにわかる。キミはどうだろう?もし心当たりがあるなら、まず何を指し置いてもやってほしいことがある。それは「俺もがんばるぞ!」と思わせてくれるような知人、友人をつくることだ。いまいる友人や仲間の中から発掘してもいい。

 助け合うだけが友情ではない。競い合う中で友情を感じるのだ。騙されたと思って、この「刺激的なライバル探し」をやってみてほしい。平坦で何の変哲もなかった日々が、とたんに輝き出す。私もこれで救われた。そして、ダメな自分に勝つことができた。

 四十代になったいまでも「自分を育てるライバル」のおかげで、溌剌と愉快に生きている。キミがいますぐやるべきこと。それは資格を取るための勉強ではない。株や為替への投資ではない。宝くじの購入もキャリア開発も後回しでしい。

 まずは「刺激的で愛すべきライバルたち」をつくろう。遊びはアイツ、ビジネスは彼、恋愛はあの人――。ジャンルごとによきライバルをつくるのだ。キミの半歩先を行く師≠ニなるような存在が望ましい。ライバルだからといって、無理に敵対しなくてもいい。九割方は仲間だが残り一割の部分ではライバル、といった関係で構わない。

 それよりも大切なこと。それはライバルを愛するということだ。彼らは不快な敵などではない。本当の敵はどこにいるか?
とっても近いところにいる。自分自身だ。人生はどんなときでも、自分がどう考え、どう動き、どう対処するかで決まる。

 一対一で殴り合うボクシングのようなスポーツでさえも、最後は「自分との戦い」だ。自分の攻撃力と防御力と体力はもちろん、精神力が結果を左右する。他者であるライバルと競り合う前に、まずは自分の中に潜む弱気に打ち勝たなければならない。
自分との戦いを勝った者だけが、人生で本当の勝利をつかむのである。スポーツだって試合や大会があるからこそがんばれる。対戦相手がいるから本気になれる。同じチームにレギュラーの座を競うメンバーがいるからこそ、死に物狂いになれる。

 愛すべきライバルがいる。だからこそ人は、負けまいと必死になって成長していく。本気でよりよい人生を生きようとするし、楽しもうとする。そしていい仕事をしよう、いい恋をしようとがんばるのだ。

 人は他者との関係において刺激を受け合い、成長し、自分の人生を豊かにするものだ。愛すべきライバルを増やし、愛し、競い、分かち合った瞬間から、本当の人生がやってくる。さあ、いまなら間に合う。一歩を踏み出そう。半年後、一年後の自分が成長できているか、楽しい人生になっているかどうかは、この瞬間にかかっている。

二〇一二年六月 潮凪洋介
第1章 「自己主張」と「共感」が人生を飛躍させる

 

@主張のアンテナを持てば共感者が出てくる 18
A「いい人」では自分の人生を生きられない 22
B自分に勝つとはどういうことか 26
C環境への順応癖がネガティブな人生をつくる 30
Dドブの住人と本音でつき合ってはいけない 34
E一緒に食事をする大切さを思い出せ 38
F迷ったら自分がグッとくる≠ルうを選ぶ 42
G「主張」と「傾聴」のバランスをとれ 46
Hお互いのプラスになるケンカをしよう 50
I固定された人間関係で守りに入らない 54
第2章 ライバルより大きく成長できる仕組をつくれ

 

@ライバルにするならビッグマウスがいい 60
Aどういう男がキミを伸ばしてくれるか 64
B目的地が同じなら呉越同舟してもいい 68
C正反対の相手とはプラスの化学反応を起こせ 72
D孤独な成功者≠ヘ没落しやすい 76
E競争相手とはある程度の距離を置くこと 80
F仮想のライバルを描くだけで人生は変わる 84
G無駄な敵をつくらない 88
H理想の異性を落とす戦いがキミを成長させる 92
I人間関係にもレギュラーとベンチがいる 96
第3章 キミを強くする武器を見つけて磨こう

 

@「勝算」は自ら立てるもの 102
A自分の武器はきちんとプロモートする 106
B鏡に映ったダサい自分を許すな 110
Cオンの武器とオフの武器が必要だ 114
D人の武器は日々の習慣で決まる 118
E自分が活躍する場所はあえて絞りこめ 122
F「気配り」は万能の武器となる 126
G創造の機会は主張した人だけに与えられる 130
H自慢話ではなくおもしろがることで競え 134
I最大の武器となる「人間力」とは何か 138
第4章 自立している人ほど一緒に歩む仲間が集まる

 

 

@自分の運命を自分で決められることが「自立」 144
A大好きな仕事をしている人には勝てない 148
B遠回りしてでも見つけてほしい「天職」 152
C自己成長する遊びのスタイルを確立しよう 156
Dつねに出会いを求め続けよ 160
E人情を捨てない、でも期待しすぎない 164
F 助け合う習慣が倒れない絆をつくる 168
G仲間づくりには色気が必須だ 172
H自分との戦いに仲間を頼りすぎるな 176
Iときには空っぽになるせつな時間≠熾K要 180
第5章 恋愛で勝つための魅力ある大人になる生き方

 

@恋愛に興味がなくても異性の友だちはつくれ 184
A感情をコントロールできれば恋愛はうまくいく 188
Bやさしさだけでは恋の勝利者になれない 192
C本当にモテたいならモテ集団に入るしかない 196
D仲間内での恋の駆け引き≠ノはルールがある 200
E異性へのアピールはわかりやすく派手に 204
F人生の成功者ほど会合の幹事を務めている 208
G経験したことだけで勝負せよ 212
H異性のライバルほど味方にすると心強い 216
I戦う男がやってはいけない@愛アクション 220